進撃のトトロ~どんぐり王国の秘密~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなが大好きな森の妖精?トトロは、どんぐりが大好きです。

しかし、トトロが発表される前から、ぼくもあなたもどんぐりが好きではなかったでしょうか?

 

日本列島に人が住み始めて4万年。

その間、この島に暮らす人々は自然の恵みを巧みにいかし豊かな社会をつくってきました。そのヒントが「どんぐり」につまっています。


西欧にすむ人からすると森に感じる価値観は、「綺麗だな~」っと思うぐらいが精いっぱいで、畏敬の念であるとか、切ったら祟られるっといったものはないようです。ヨーロッパの教会にいくと、木や森とは、一番遠い所にたっていることが多いようです。手入れの行き届いた庭園はあっても、自然の巨木や森は、どこをさがしてもありません。

 

日本の神社にいくと、たいがいご神木が祭られています。そして、緑の中に感じる安心感や、何となく感じる「どんぐり」への愛着は、我々日本人のDNAに刻み込まれた懐かしい記憶なのかもしれません^^

 

 

 

 

 

 

 

  

 

青森の市街地にも近い三内丸山遺跡では、今から約5500年前~4000年前の縄文時代の集落跡で、 長期間にわたって定住生活が営まれていました。 平成4年からの発掘調査で、竪穴住居跡、大型竪穴住居跡、大人の墓、子どもの墓、盛土、掘立柱建物跡、大型掘立柱建物跡、貯蔵穴、粘土採掘坑、捨て場、道路跡などが見つかり、集落全体の様子や当時の自然環境などが具体的にわかってきました。


また、膨大な量の縄文土器、石器、土偶、土・石の装身具、木器(掘り棒、袋状編み物、編布、漆器など)、骨角器、他の地域から運ばれたヒスイや黒曜石なども出土しています。


ヒョウタン、ゴボウ、マメなどの栽培植物が出土し、 DNA分析によりクリの栽培が明らかになるなど、数多くの発見が縄文文化のイメージを大きく変えています。


東京だって街として発展したのが、500年ほど前のお話。京都で、ようやく1000年。 それが5000年前の雪深い青森に、1500年に渡って人々が生活をしていました。















世界一古い土器の発明も、縄文人の定住化が背景にあると幡谷は考えます。獲物をおって山野をかけめぐり移動しながら生活していたっというのが三内丸山遺跡発掘前の常識でした。しかしわたし達の祖先は、自然を巧みにいかし、同じ場所に何年もすむコミュニティーを構築していたことがわかります。遺跡を公開している公園には村の中央に陣取っていた大きな小屋と、高さ数十メートルにおよぶ塔がたっています。


縄文人が、獲物をおってその日暮らしをしていた人々というのは誤解で、実は食に満たされ高い文化を誇っていたと推測するのが自然ではないでしょうか? そのカギとなるのが、土器。そして土器の発明をもたらしたドングリの存在です。 最新の調査で、縄文人たちが集落の周辺にドングリや食べられる食物を計画的に栽培していたことがわかっています。わたし達の祖先は、自然を生かす術を当時から活用していたのです。


しかし、このドングリ、栄養価が豊富で美味しいものの、1つ難点がありました。それは、アクぬきをしないと食べられない点です。この弱点を克服したものが土器と言われています。縄で模様をつけた土器を開発しお湯をわかしドングリのあくぬきを成功させました。


こうして安定して食べ物を、手段を手にいれた縄文人は、人口をふやし、また人間を豊かにする文化を醸成していきました。 必要は発明のマザーといわれます。 世界中と比較してもたぐいまれな広葉樹林帯をもつ日本だからこそ、ドングリの主食化に成功し、その副産物として土器が重宝され、それが世界に広まったと信じています。













トトロも大好きなドングリは、日本に最初の豊さをもたらしました^^


現代でも神社にいくと大きな木がご神木として存在します。多くの日本人が、山や川、そして大きな木に神を感じるのは、こうした縄文の文化を受け継いでいる証拠です。またお盆になるとご先祖さんが返ってくるっといった信仰も、仏教の影響ではなく、縄文以来の風習であると指摘する声もあるようです。


古い神社の立地を調べると、縄文時代の海外線になっていることがわかります。東京でいえば、湯島天神、神田明神、などがこれにあたります。日本人は、ずっとずっと日本人だった。人々の記憶がうすれても神社や、森の木々はその記憶をわたし達に伝えてきたのかもしれません。


20世紀~21世紀に時代が変わるなかで、多様性を認めることが社会発展のキーワードになっています。先進諸国のなかで、キリスト教ではない国は日本だけです。そして、白人でない国も、また日本だけです。


100年前、ブラジルに渡った日系移民がはじめた多様性をいかした農業が今、注目を浴びているそうです。これまでは、巨大なプランテーションが、効率化をもとめコーヒーなら、コーヒー。バナナならバナナをひたすら植えた結果、土地がやせ害虫の被害も深刻となっていました。そこで日系移民の発案で、コーヒー、バナナ、胡椒(コショウ)の木を混在して植えたところ、土壌汚染も、病害虫の被害もピタリと止まったそうです。


自然には自然の摂理がある。たったそれだけのことですが、自然を支配し効率化を求める白人さんの価値観の中では、みつけられない答えではないでしょうか?遺伝子の中に「どんぐり」をもつ日本人だからこそ、みつけられた自然との共生の好例だと幡谷は感じます。


自然は多様性の宝庫です。わたし達の祖先が、自然の恵みを活用してきたように、現代に暮す日本人も、多様な価値観の海を上手に渡っていく必要があります。世界を見渡せば、平和をもたらすはずの宗教が、逆に宗教観の対立をうんでいます。そんな中、日本人がもつ多様性は、そんな対立を解決にむかわすことができる唯一の国であると幡谷は確信しています。


世界一古い土器は日本で発掘されています。幡谷は、土器は日本の発明品だと考えます。 この発明品は、1万年をかけ、土器が古代の人々の生活を支え、人類の進化に大きな貢献をしました。 そして21世紀、日本から輸出するものは、車やテレビだけでなく、縄文に根差す他者を受け入れ、活かす価値観そのものである!と提案します。


どんぐりから始まった日本の文化。

そして混迷をふかめる世界にいまこそ、ドングリ資本主義

を輸出する必要があります。


トトロ出番だよ!

22世紀。進撃のトトロが世界を救います^^(たぶんね)