上手な会社のつぶし方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マーフィーの法則

どんな簡単な問題も、会議を3回へれば、誰も解けない難問となる

 

日本には400万もの会社があると言われ、おのおのの会社が切磋琢磨し経済をになっています。しかし、始まりがあれば終わりがあるのも世の必然。企業を生存率ではかると実に99%が創業30年でその倒産してしまうことが指摘されています。

 

つぶしたくないのに、つぶれる

それはマーケットの厳しさとも言えるし、あるいは組織のなかに構造的に欠陥を抱えている?とも考えられます

 

ネットで、組織をダメにさせるCIA直伝の「サボり方ガイド」が登場し話題になっています。

内容が面白すぎるのと同時に、自分の会社に当てはめると背筋がぞっとする内容です(*_*)

 

家訓づくりプログラムでは、創業200年をこす会社の8割に家訓や言い伝えが存在することを紹介してきました。

家訓だけでは補えない会社を存続させていく秘訣を、反面教師として「さぼり方ガイド」を参考に考察してみます

 

題して「上手な会社のつぶし方」です。

・・・ハタヤの2作目の本のタイトルにしようかな(ー_ー)!!

 

 

■CIA直伝「さぼり方ガイド」

 

(参照:ネタリカ 

http://netallica.yahoo.co.jp/news/20151126-91538065-aspa

 

 ― 週刊SPA!連載「ドン・キホーテのピアス」<文/鴻上尚史> ―


 

◆組織をダメにさせるCIA「サボり方ガイド」の的確さに唸る

 

 渡辺千賀さんという人の、ものすごく素敵なブログを見つけました。そこで紹介されていたのは、第二次世界大戦時のCIAの秘密資料で、その名も『Simple Sabotage Field Manual』。

 

「簡単なサボタージュの方法」、つまりは、「敵国内のスパイが、組織の生産性を落とすためにどのような『サボり』ができるか、という『サボり方ガイド』」です。

 

 相手にバレないように、組織をダメにするのが、スパイの仕事ですからね。2008年に公開されたそうです(正確に言うと、CIAの前身組織、『Office of Strategic Services』の作成文書です)。

 

 でね、これがもう、唸ってしまうぐらい「的確」なんですよ。渡辺千賀さんが訳しているものを紹介すると――。

 

●「注意深さ」を促す。スピーディーに物事を進めると先々問題が発生するので賢明な判断をすべき、と「道理をわきまえた人」の振りをする。

 

●可能な限り案件は委員会で検討。委員会はなるべく大きくすることとする。最低でも5人以上。

 

●何事も指揮命令系統を厳格に守る。意思決定を早めるための「抜け道」を決して許さない。

 

●会社内での組織的位置付けにこだわる。これからしようとすることが、本当にその組織の権限内なのか、より上層部の決断を仰がなくてよいのか、といった疑問点を常に指摘する。

 

●前回の会議で決まったことを蒸し返して再討議を促す。

 

●文書は細かな言葉尻にこだわる。

 

●重要でないものの完璧な仕上がりにこだわる。

 

●重要な業務があっても会議を実施する。

 

●なるべくペーパーワークを増やす。

 

●業務の承認手続きをなるべく複雑にする。1人で承認できる事項でも3人の承認を必須にする。

 

●全ての規則を厳格に適用する。

 

……というようなものです。

 

 どうですか? これが、CIAの前身組織が、「敵国の組織をダメにするために実行しろ!」と定めたマニュアルの一部なのです。

 

◆あなたの会社にもスパイがいる!?

 

 今、日本でこのマニュアルに当てはまらない組織は本当に少ないと思います。大企業やお役所になればなるほど、ずっぽりとこのサボタージュ・マニュアルを実行しているはずです。

 

 僕は自由業なので、「可能な限り、案件は委員会にして、最低5人」という記述に、特に唸りました。

 

 企画会議や製作者会議なんてのは、5人以上になると訳が分からなくなって、間違いなく、失敗するか平均を取った凡庸でつまらないものになるのです。けれど、みんなそれが一番いい方法だと信じて実行しているのです。

 

 大企業なら、みんな真剣に「注意深さを促す」ことや「業務の承認手続きをなるべく複雑にすること」に集中しているはずです。

 

 お役所なら、これまた熱心に「指揮命令系統を厳格に守る」とか「組織的位置づけにこだわる」なんてことを積極的に進めているはずです。 まったくの正当性を持って、少々の不自由さは感じても、組織をダメにしようなんて明確に思いながらやってる人はいないと思います。

 

 僕は、あんまり感動したので、このページのURLを張り付けてツイッターで呟きました。

 

 続々と「こ、これは俺の会社じゃないか!」というツイートが帰ってきました。

 

 僕は、答えました。

 

「そうですか。それなら、あなたの会社には、CIAのスパイがいるんです!」

 

 さあ、あなたも社内に紛れ込んでいるCIAのスパイに苦しめられているのなら、今週の「ドン・キホーテのピアス」をコピーして、CIAのスパイの机の上にさりげなく、置きましょう。

 

「お前のたくらみはまるっとお見通しだぜ」と、メモを残したら筆跡でバレるかもしれないので、ただ、このコピーだけを、置きましょう。

 

 大丈夫だ。おいらが、代わりに言ってあげる。

 

「組織をダメにするために、密かにサボタージュ・マニュアルを実行しているお前! お前がCIAのスパイだということは、こちとら、お見通しだからな!」

 

 

 

 ■上手な会社のつぶし方?家訓二ストがおすすめする「蛇足の法則」

 

 

『組織を殺す「蛇足」の法則』 

 

【蛇足】(だそく)の意味を知っていますか?  

一般的には、わざわざ余計な事までしてしまう意味の熟語。 

また、物事がうまく行っている時に、調子に乗ってやたらに手を出すべきではないという教訓としても用いられます。 

 

その原文を家訓二スト訳で紹介します




楚の昭陽は非常に強い将軍で、魏軍を壊滅し、八つの城を占領し、さらに斉まで攻め入ろうとしていました。


斉の王様は使者をたて、将軍に面会し、勝利を祝福した後「楚の国の規定では、軍事に功労のあったものの官職と爵位は何か」と尋ねました。

昭陽は「官職は上柱国、爵位は上執珪である」と答えました。さらに陳軫は「それ以上に軍功のあった者はどうですか」と尋ねた。

昭陽は「令尹である」と答えました。陳軫は「楚王は令尹を二人も置くことはないでしょう」と言って例え話を始めた。


「楚に祠者がいて、家来に酒をふるまった。家来は『数人で飲むには足りないが、一人で飲むには十分だ。地面に蛇の絵を描いて、一番初めに完成したものが飲むことにしよう』と提案した。一人が蛇を完成し、余裕があったので足を書き始めた。その途中でもう一人が蛇の絵を完成させて、先の男から酒を取り上げて『蛇には足がないのにどうして足など書けるのか』と言って、酒を飲んでしまった。蛇の足を書こうとした者は、調子に乗ったために酒を飲みそびれてしまった」。


使者は続けて、「今、昭陽は大臣になって魏を攻め斉まで攻めようとしています。斉はあなたを恐れています。今の官職の上に加えられる官職はありません。さらに手柄を立てようとする者は、必ず身を滅ぼします。今の爵位も誰かに取って代わられます。ちょうど蛇の足を書こうとした者と同じです」と言った。昭陽はその通りだと思って、斉から軍を引き上げました・・・

 

 

 

 要約すれば、蛇を書くだけ良かったのに、足をつけたばっかりに酒にありつけなかった寓話が基になっています。しかし、この「蛇足」のお話しには、組織論の神髄にもなる強い教訓が隠されているのをご存知でしょうか?  

 

ザックリいうと、余計なことをしたばっかりにお酒を飲み損ねた寓話を材料に、使者が、将軍に遠征を止めさせたトリックが読み取れます 

この「蛇足」の物語から読み解く裏の意味は、【論理のすり替え】です。そして、この論理のすり替えこそが、会社をつぶし組織を殺す一番簡単な方法になります 

 

この時、使者が使ったトリックはシンプルです。

 

戦争(遠征)の目的は、敵を滅ぼし、自国を守ること。この時の主語は、「国」になります。

しかし、「蛇足」の寓話の主語は、「個人」になります。

 

斉は、使者のトリックで、強国である楚の進軍を止めることに成功し、そしてのちに斉は楚を滅ぼしました。将軍は「個人」の恩賞に心を奪われ、斉を倒すチャンスを逸したことがわかったでしょうか?

  

これを会社にたとえると、トリックの巧妙さが分かるとおもいます

 

  

営業マンの神原さん(仮称)は、今月トップの成績を収めていました。

そこにライバル会社の大高君(仮称)が現れ、ささやきます。

 

 

大高:それ以上売っても、部長や課長になれる訳ではないでしょう? 

    もうすでにトップなんだから、今月の数字をセーブして来月に回しなよ! 

    ところで、昨日新しいキャバクラができたんだけどいく?

 

神原:「それもそうだね・・・じゃ、大工町にいく^^」

 

  

会社の目的は、多くの商品をうり、うりあげを確保すること。この時の主語は、「会社」になります。

 しかし、「蛇足」の寓話を用いれば、「個人」と「会社」がすり替わっているのです。

 

 

「蛇足」の物語は、実に多くの教訓をぼくらに示唆してくれています。

 

組織の目的を個人に浸透させていくことのむずかしさは、紀元前の中国から、現代にいたるまで今も変わらず、経営者を悩まします。

 

また経営者自身も、個人と組織のはざまで悩むものです。 

 

以前、ビジョンの大切さを語るために、ブログで松下幸之助さんのビジョンと、幸之助さんが亡くなったあとの経営陣のフラフラ具合を論じたことがありました。

 

創業者が求めた貧乏を追放し人間を育てる!といった理念を、新経営陣は、売りあげの確保に走り、結果、従業員のリストラ、そして技術者の流出を招き、サムソンに猛追されるといった大失策を犯しました。 

 

この時の経営陣のメンタルを分析すれば、カリスマ亡きあと、売上ダウンをすることは、メンツにかかわる!っと必死になっていたことが読み取れます。この時の「メンツ」とは個人の問題。蛇足でいう論理のすり替えです。

 

経営者が追うものは、ビジョンであり、売上さえも、ビジョンを達成させる1つの手段にすぎないはずなのです。 

 

地獄への道は善意の意思で出来ている・・・ 

よかれ、よかれっと、選んだ選択が、結果、組織を殺してしまうことってないでしょうか?

 

 

「蛇足」とは一般的には、わざわざ余計な事までしてしまう意味の熟語。

 

また、物事がうまく行っている時に、調子に乗ってやたらに手を出すべきではないという教訓としても用いられます。

 

しかしビジョンにそった蛇足はどんどん犯していくべきです。家族や、社員が泣く前に、ビジョンを定め、そして蛇足をこわがらす、挑戦をつづけていきましょう^^

 

家訓ニストの挑戦も、人によってはやりすぎだの、JCのルールを守れ!っと言われます。しかし、これからも家訓ニストは、家訓の素晴らしさを世に問いつづけ、明るい豊かな社会をつくり、世界平和の実現のための「蛇足」を描いてまいります!

 

 

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コメント: 1
  • #1

    skyhook-33 (金曜日, 18 10月 2019 07:51)

    組織人として思い当たる節満載です。
    どうしてこのような組織が出来上がってしまうのか?
    原因を探求しそこを潰さなければならない。