4月1日 東洋思想の第一人者である田中佳史先生の勉強会に出席する機会を頂戴しました
宴席の中では先生に著作を進呈させていただくことともなり、直接、数々の金言を預かることになりました^^
今回から数回にわけ、先生の金言をもとに家訓づくりに新しい風を送り込んでみたいと思います
■世界は「陰と陽」で出来ている!
陰陽(いんよう)とは、中国の思想に端を発し、森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物をさまざまな観点から陰(いん)と陽(よう)の二つのカテゴリに分類する思想。陰と陽とは互いに対立する属性を持った二つの気であり、万物の生成消滅と言った変化はこの二気によって起こると考えるものです。
このような陰陽に基づいた思想や学説を陰陽思想、陰陽論、陰陽説などと言い、五行思想とともに陰陽五行説を構成してきました
「陰と陽」の関係を明快に表すのが、画像の「太極図」です。
陽(ひかり)がいきつくと、陰(かげ)となり、また陰も、つきつめれば陽となります。
古くから中国では、この世のあらゆる事象は、「陰」と「陽」の相反する二つの性質を持ち、両者の調和によって世界が保たれていると考えてきました
わかりやすい例を挙げると…
【陰】女、夜、裏、地、柔、弱、退、逆、静、暗、凹
【陽】男、昼、表、天、剛、強、進、順、動、明、凸
全てのものは陰と陽を背中合わせに抱えており、二つを中和させる“気”によって調和を保っている。
家庭でも職場でも、男女の力関係のバランスが取れていると家庭生活も仕事もスムーズに進みます。住まいでも、日当たりが良い部屋も必要ですが真夏の暑さの中では涼を取れる日陰の部屋も必要です。
全てにおいて、このような「陰陽のバランス」が大事だと、老子は考えていたようですね。
そして、たくみに「バランス」を取りながら生きていきなさいよ、というのが老子の教えです。
これを家訓に当てはめると
「幸せになりたいならまず他人を幸せにしろ」
「得たいのなら、まずは与えなさい」
「人生に無駄なものなし」
物事の一面のみに固執するのではなく、二面性を受け入れてその両面を大切に、バランスの取れた生き方をする。
「人生に無駄なものなし」との格言のとおり、いい経験はもちろん、悪い体験にこそ、成功の種が潜んでいるはずです。経験を教訓に還ることができれば、それは財産になります。
明治維新からたかだか180年。西洋の考えは海を渡ってきたのはつい最近のことです。
しかし中国の思想は、もっと深い部分で日本の文化をつくってきました。「陰と陽」の思想と家訓が伝えきたアイデンティティは、根本でシンクロしていると幡谷は考えています。
■松下幸之助と「陰と陽」
「好景気よし。不景気なおよし。」(松下幸之助)
陰と陽の世界を敷き詰めていくと、成功の種は必ず失敗の中で育っていくことと理解することができます。
そして世の中で成功した偉人の多くが、この「失敗」を大切にしています。
「好景気よし、不景気なおよし」とは、松下幸之助さんの言葉です。
また、野球界のレジェンド、イチロー選手は、ここまで活躍できた一番の要因を「スランプのおかげだ」とも表現しています。
会社を経営するなかで、成功に導くこと、あるいはご家庭のなかで、家族の安泰、子どもたちの健康を願うなかで、陽(ひかり)ばかりを追い求め、陰(かげ)をおざなりにしてきたことってないでしょうか?
電化製品や社会資本が発達し、現代社会は空前の繁栄のなかで暮らすことができます
一方、毎日の生活のなかに漂う閉塞感があるのも事実です。
幸せを実感できない現代人は、「陰」を忘れ、結果「陽」を感じることに鈍感になってしまったのかもしれません。
いまこそ、「陰と陽」の思想に立ち戻り、「陽」ばかりでなく。「陰」を大事にしていくことが求められます
世界一の自動車メーカーとなったトヨタ自動車では、こうした「陰」の部分を大事していることが知られています
海外でスカウトされたあるアメリカ人の幹部は、会議の席で、自分の実績を延々と報告したそうです。しかし、トヨタ流の会議は、いい結果の報告でなく、失敗した例、あるいは苦戦している問題を共有することを、幹部に求めたそうです
失敗は成功のマザー、伸びる会社には、伸びる理由があります。
そして、会社や家庭、人生のなかで苦戦しているあなた、あなたにこそ、成功のマザーがほほ笑むはずです。
好景気よし、不景気なおよし。
「陰と陽」をつきつめていくと、人生には成功しか用意されていないことがわかります^^
ただし、成功のためには、素直でいること、そして失敗を隠ぺいしてはいけないこと、この2つのルールが大事であることがわかりました
「世界一簡単な幸せを招く家訓のつくり方」には、「陰と陽」の思想が足りなかったと猛省するばかりです。これも貴重な失敗例として素直に反省し、次回作こそ、満足ゆく作品とすることを皆様にお約束します
貴重なお導きをいただいた田口佳史先生、ありがとうございました
あわせて、先生の著作を熟読することをブログを読んでくださっている皆様にもおススメします
■家訓があれば85%のことはうまくいく
「陰と陽」の子育て学。85%でハッピーに、100%を求めない子育のすゝめ
『天才児を育てるには』『有名校に合格させるには』『良い子に育てるには』そんな言葉がメディアを飛び交う中、子育ての中で迷路に入り込んでいないでしょうか?誰だって子育てに失敗したくありません。そして、願わくば出来の良い子に育って欲しいはずと思うものです。しかし、将来のためにと幼児期から塾に入れたり、習い事をさせている間に、遊ぶ時間さえも与えられなかった子供が本当に幸せな大人になれるでしょうか?
完璧な子育てを求めるお母さん。でも、だれも子育ての中で100点なんてとれません。世界は「陰と陽」で出来ています。光だけを求めるあまり、逆に点数を下げている・・・そんな失敗ってありませんか?そんな時、家訓をつかって、ほどほどの幸せを手に入れることをお薦めします。それが、85%の法則です。
85点の法則
こどもがちゃんと挨拶ができた。あるいは、みんな家に帰ってきた。当たり前の日常の生活のなかで、ちょっとした幸せをかみしめる。それが85%の法則のポイントです。
まずは、子育てにイライラしてしまうお母さん。安心してください、子育てとは、イライラするもの、そして、子どもは理不尽で、わがままな生き物なのです。丹念につきあいながらも、ちょっとあきらめるのがポイントです。100点から、ちょっと引いたマイナス15点をひいた85点ぐらいをめざしましょう。ただし、子育てをゆずってばかりでも、バカ殿になってしまいます。
時に優しく、時に厳しくすることが肝心です。そんな時、「家訓」が家にあれば、叱る基準、褒める基準ができます。たとえば、「人にされて嫌なことをしない」という家訓をつくったご家族がいました。その後、お子さんがサッカーの試合にでて、ボールもおわず立ちつくしていたそうです。試合後、お父さんが尋ねると、お子さんは、「ぼくはボールをとられたら嫌なので、ぼくもボールとらない」と答えたそうです。将来、サッカー選手になるには、ちょっと不向きなエピソードですが、お子さんの優しさが伝わるお話です。そして、100点でないにしても、85%ぐらいの幸せをご家族にもたらしてくれるのではないでしょうか?「ひとに迷惑をかけない」という家訓は、これからもたくさんの幸せをご家庭に招いてくれそうです
幸せは、得るものでなく「感じる」もの
そして気が付けばそこにあるもの。100点を求める子育ては、どこか窮屈で、足元にある幸せを見過ごしてしまうことにもつながります。ほどほどの幸せを、生活のなかで実感していくために、家訓づくりに挑戦いただくことをお薦めします。
人生は、クローズアップでみれば悲劇、ロングショットでみれば、喜劇である。(チャップリン)
立ち直れないような失敗も、後々考えると教訓になっていることってないでしょうか?
あるいは、挫折のおかげで、自分の人生が好転することだってあるはずです。世界は陰と陽で出来ています。
人生を、家訓という先祖から続くロングショットで、悲劇を喜劇にかえていきましょう^^
人生を恐れてはいけない。人生に必要なものは勇気と想像力。そしてほんのちょっとの家訓だ
社会にでれば、教科書なんて役に立たないのは、周知の事実です。学校や塾は勉強の仕方をおしえるもの。家庭では、もっと大切な勉強する意味、そして、感じる力を鍛えてあげてください。
■書籍概要
書籍名 : 世界一簡単な「幸せを招く家訓」のつくり方
著者 : 幡谷哲太郎
発売日 : 2015年6月1日
出版社 : セルバ出版
体裁 : 200ページ
価格 : 1,600円+税
URL:
■著者 幡谷哲太郎(はたやてつたろう)経歴
茨城県水戸市生まれ。日本青年会議所「徳溢れる心醸成会議」に所属中に家訓づくりを始める。
家訓づくりを広める活動を「家訓ニスト」と命名し、全国160カ所以上、7000人の受講者に対し、家訓づくりのセミナーを開催。セミナー後に、「家訓を作り、家族での唱和を実践した」という家庭の100%が、「家族に変化があった」と回答するなど、大きな変化を与えている。
現在は、明るい豊かな社会のためにと家訓ニスト協会(仮)を立ち上げ、家訓ニストとして活動中。
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