『方法』という悪魔に勝て!
豊洲の新市場の問題を筆頭に、「目標」と「目的」がどうしてこんなに違ってしまうのだろう・・・と考えています
そもそも日本人は、戦術は得意だか、戦略は苦手とも言われています
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分かりにくい「目的と目標」の違い
そして、この2つをはき違える時、どんな悲劇が残るのか!?
ぼくなりの答えをブログで紹介しています。
今日もどこかでデビルマン
今日もどこかで家訓二ストです^^
目的と目標の違い
『方法』という悪魔にとり憑かれないで、『目的』という大事なものを思い出して
SEKAI NO OWARIより「 RPG」より
あなたは、『目標』と『目的』の違いを明確に述べることができますか?
実は、この区別が多くの日本人にとって、難しい課題であり、逆をいえば、目標と目的の区別ができれば、あなたの人生や、あなたの所属する会社や、組織を幸せをもたらすことを約束します。
人気のミュージシャンSEKA INO OWARIの「RPG」には、『方法』という悪魔にとり憑かれないで、『目的』という大事なものを思い出してとの歌詞が登場します。
作詞をされた深瀬氏のインタビューによれば、バンドを組んでいるのにアルバイトに明け暮れるような事例を想定し「方法を間違えた時に夢は叶わないですよ」と発言しています。
「方法」に心を奪われたとき、人は挫折することを示唆するメッセージであり
「方法」を『目標』と置き換えると、さらに深い意味をぼくたちに投げかけてきます
日本人は「目的」と「目標」の区別が苦手
日本人は、目先の事に囚われ先のことを含めた全体がつかめない人が多いといわれています。
例えば「受験」と「勉強」ですが本来は勉強をする為、上位学府へ受験するはずなので「勉強」が目的、「受験」が「目標」となります。
たとえば、高校、大学や、入社試験では、膨大な作業量や様々なテクニック(方法論)にうずもれてやる気を失ってしまうことがあります。そういうときにそもそも自分はなぜ受験(入社)するのだろうと思い直すことは大切かも知れません。
幡谷も、受験の英単語の「出る単1000」を1日10個づつ覚えて、3か月でマスターする計画を立てたことがあります。苦手の英語をこのプランで克服するはずが、結果は1週間で挫折・・・ できもしない「目標」をたて、「目標をたてたことに酔う」ことって、あなたにも経験がないでしょうか?
言葉にすればたったそれだけのことですが、この区別が存外に難しいもの。「方法」という悪魔がどれだけ怖いのか・・・
今回のブログでは、、『目標』と『目的』の違いを検証することで、悪魔の正体をあぶりだしていきたいと思います。
東芝の不正会計の場合
東芝の「不適切会計」問題は、底なし沼のように次々と不正が判明しつつあります。第三者委員会による調査で、2014年3月期までの営業利益の水増しは1700億円を超える規模になることが明らかになった。さらに、半導体部門で、利益減少に伴う繰延税金資産の取り崩しなどが発生し、最終的な損失額は全体で3000億円規模にまで上りそうです。
誰もが知る名門企業でおこった不正会計の問題の温床はどこにあるでしょうか?
その原因は、歴代の社長による「チャレンジ」という名の無茶な業務命令と、それに応えきれなかった社員の中で起こりました
そして、その中で一番の問題は、社長による「チャレンジ」という名の短期的な「目標」が、あたかも組織にとっての至上命題であり、また「目標」が「目的」にすり替わったことです。
「地獄への道は善意の石で出来ている」
不正経理を働くことは、会社全体の信用を地に落とし、最悪倒産をも招く大スキャンダルです。
しかし組織の中にいると、そうした迷走というより逆走も、目に入らないことが起こりえます。日々、仕事に追われ、上司の要求にこたえるべく頑張ってしまった事が、「不正経理」です。これも一種も善意だったのではないでしょうか?しかし、その善意が会社に窮地に追い込むというのも皮肉です。西洋では、地獄への道は善意の石で出来ているとの諺があります。そして、地獄への道は、「目的」と「目標」をはき違えた結果だと幡谷は考えます。
ビジネスにおける「目的」と「目標」の違い
たとえば、ソフトバンクのビジネスの目的は「情報革命で人々を幸せに」することです。 つまり、ソフトバンクで働く人達は、活動の全てが「情報革命で人々を幸せに」することにつながっていなければならないのです。 同じように、ビジネスに携わる私達は誰一人として例外なく自社の定めた「いかに社会に役立つか」という目的を達成するために活動しなければならないということになります。
ところが企業によってはこのビジネスの目的がとても見えづらい状況になっています。 とくに大企業であればあるほど、ビジネスの目的を理解することなく日々の仕事に取り組んでいる人が多いと感じます。 ここに目的と手段を取り違えたり、目標が独り歩きする状況が生まれる原因があるのです。
本来、売上や利益目標は、社会に貢献するという目的を具体的な数値目標に置き換えたものといえます。
ところがこの手段を目的と取り違えて、それ自身を達成しなければいけない目的だと思い込むことによって、様々な無理が出てきます。売上や利益目標を達成するためなら顧客に少々の不利益を押し付けても構わないといった本来の目的とはかけ離れた行動に出ることも否定できません。
やはり正しい結果を導くためには、ビジネスの真の目的をしっかりと認識し、目的を実現するためにはどのような行動を取るべきかを常に問い続けなければならないのです。 今一度、自社のビジネスの目的を確認し、自分自身が目的と手段や方法、もしくは目標をはき違えていないかをチェックしてみましょう。
(参照:ここから未来へ)
http://kazokukaigi.com/wp/507/
(参照:HRPRO)
http://www.hrpro.co.jp/agora/951
次の有名な寓話「3人のレンガ積み」を紹介します。
中世のとある町の建築現場で3人の男がレンガを積んでいた。そこを通りかかった人が、男たちに「何をしているのか?」とたずねた。
1人めの男は「レンガを積んでいる」と答えた。
2人めの男は「食うために働いているのさ」と言った。
3番めの男は明るく顔を上げてこう答えた。 「後世に残る町の大聖堂を造っているんだ!」と。
このとき、3人の男たちにとって目標は共通である。つまり、1日に何個のレンガを積むとか、何ミリの精度で組み上げるとか、何月何日までに終えるとか。しかし、目的(=意味を含んだもの)は3人ともばらばらだ。
一人めの男は、目的を持っていない。二人めの男は、生活費を稼ぐのが目的である。三番めの男は、歴史の一部に自分が関わり、世の役に立つことが目的となっている。
目標は他者(組織や上司)から与えられることが十分ありえます。しかし、目的は他者から与えられない。意味は自分で見出すものだからだ。何十年と続く職業人生にあって、他者の命令・目標に働かされるのか、自分の見出した意味・目的に生きるのか―――この差は大きいのではないでしょうか?
さらに、個人の欲求と、会社の目的が、合致するとき、組織は加速的な成長を魅せます。レンガ積みの男でたとえれば、「第3の男」が増えれば増えるほど、大聖堂は輝きを増すはずです。そしてリーダーであれば、そんな男を増やすことが自らのミッションとなるのではないでしょうか?
昭和を代表する経営者、松下幸之助さんは、家電の販売が、人々を豊かにするとの信念をもち、貧乏からの卒業を会社の「使命」と言明し、社員さんに、「使命を達成するための意義」を問い続けました。
経営者や管理職は「意味・価値」次元でどれだけ語れるか
昨今の職場には、「(数値的)目標は溢れるが、目的がない」と言われます。
だから多くが「目標疲れ」を起こしてしまう。組織にとって目標は不可欠だが、その目標の先にある目的は何か、を誰も語らないことが多く見受けられます。
キラキラとした目的、そして、子どもや孫に自慢できるような「使命」を経営者は示す必要があるのです
結果を出す為に知っておきたい目的と目標の7つの違い
(参照:チェンジ)
https://thechange.jp/mokumoku7-6829.html
目的と目標の違い1:目標は目的のためにある。
目標とは、目的を達成するためのステップです。あくまでも、「目的」を達成するために目指すべき行動やその道筋を示したものが「目標」となります。目的が無いのに目標だけがあることはありえません。目的があってこそ、目標とするものが得られることを覚えておいてください。
目的と目標の違い2:目標は具体的に、目的は抽象的に。
目的は”世界平和”や”幸せになる”といった概念的なものであっても、目標はその目的を叶えるための道しるべとなります。ですから、目標は具体的にクリアできる手段や方法が分るものでなければ、目的までの道筋が立たないということになります。 目的については、あまりにも具体的な目的を掲げるとその分クリアすべき課題も増え、目的を叶えるための「目標」がいくつも必要となり、目的を達成するのが難しくなるという事が考えられます。
目的と目標の違い3:目標は見えるモノ、目的は見たいモノ。
前記の様に、目標は目的に向かうための道しるべなので、その目標に向かってどう行動したら良いのかが分らなければなりません。そして、目標に到達する事で、それまで目的としていたものにより近づけたと感じられれば、その道筋は間違っていないという事でしょう。 また、目標をクリアした時点で、「目的」の見え方が変わるのもよくある事です。目的の見え方や捉え方を確かにするために必要なものが目標であると認識してください。
目的と目標の違い4:目標は過程、目的は行き先。
「目標」とは「目的」に至ための道筋であり、過程となります。ひとつの「目標」を達成した先で「目的」により近づくための方向を見極め、次の目標を定めて進んでいく事でのみ「目的」を叶える事が可能になります。 目的に向かうためにクリアする課題が目標ということになります。クリアする課題の数は、自身の能力や目的によって違ってきます。
目的と目標の違い5:目標は複数、目的はひとつ。
「目的」に向かい「目標」を定めて進んでいく中では、クリアする目標はひとつとは限りません。また、ひとつの目標をクリアした時点で、目的に向かう道筋がいくつも枝分かれする事もありえます。 その人の能力や目的の大きさによって、目的へのアプローチの違いもあるでしょう。大きな目標をクリアして一足飛びに目的に向かう方法もありますし、細かい目標をいくつも設定し、地道にクリアする事で着実に目的に向かう方法もあります。
ただ、重要な事は「二兎追うものは一兎も得ず。」ということです。複数の目的を目指して目標を掲げる事は困難です。ひとつの目的に対して、必要な目標を掲げクリアしていくことが大事です。
目的と目標の違い6:目標は諦めても、目的は諦めない。
また、ひとつの目標を達成しても目的に近づかない場合もありえます。今向かっている目標よりも別の目標を叶えた方が、早く目的を叶える事もあるでしょう。大きな目的を叶える為には、進む方向を見極めて、目標を常に更新する事も必要となります。 大きな目標に向かい挫折したとしても、目的を見失わない事が大事です。目的を見失う事がなければ別のアプローチを試みる事は可能ですから。
目的と目標の違い7:目的は目標の先にある。
「目標」は「目的」に至るための過程なので、目標をクリアしなければ目的には近づく事はできません。先ずは目的に向かって、クリアすべき目標を立てる事です。目標は大きくなくても良いのです。自分がクリアできる範囲で目標を立て、目的を見失わずにいくつも目標をクリアしていきましょう。 目標をクリアする過程で、目的の見え方、捉え方が変わってくる事も考えられますので、常に目的を見据えることを忘れずに行動する事です。
以上いかがでしたか?
このように「目的」と「目標」の意味するところはまったく違います。
それでも、大きな目的や目標に向かう時には、両方の持つ意味を履き違えることがよくあります。その結果、目標をクリアした後に虚無感を感じてしまったり、初めに思い描いていた目的とは、まったく正反対の結果を得て失望したりすることになります。 目的を見失わず目標に向かって努力することで、はじめて成果を得られることになりますので、「目的」と「目標」の違いをしっかり認識して、日々の行動につなげていきましょう。
まとめ
結果を出す為に知っておきたい目的と目標の7つの違い
目的と目標の違い1:目標は目的のためにある。
目的と目標の違い2:目標は具体的に、目的は抽象的に。
目的と目標の違い3:目標は見えるモノ、目的は見たいモノ。
目的と目標の違い4:目標は過程、目的は行き先。
目的と目標の違い5:目標は複数、目的はひとつ。
目的と目標の違い6:目標は諦めても目的は諦めない。
目的と目標の違い7:目的は目標の先にある。
国をも滅ぼした「方法」という名の悪魔
(参照:太平洋戦争の原因と結末)
http://www12.plala.or.jp/rekisi/dainiji.html
第二次世界大戦と日本
大東亜戦争(太平洋戦争)とは、1941~45年。日本がアメリカ海軍が多数駐留するハワイの真珠湾を攻撃し始まった戦争です。
当時、ドイツは第一次世界大戦に敗北し、その後の世界恐慌のあおりを受けてファシズム(独裁政治によって軍事力を強化し、海外進出を狙う)に走っていました。ドイツのナチス党のヒトラーは1939年にポーランドに侵攻。当時、ポーランドと同盟を結んでいたイギリス、フランスがそれに対抗しドイツに宣戦布告。第二次世界大戦が始まります。
1940年にはドイツはイギリスを除く、ほぼヨーロッパ全土を支配下に治めるといった怒涛の勢いを見せていきます。その頃、日本は日中戦争の最中。当時、満州国建国などで国際的に孤立してしてしまっていた日本は、このドイツの勢いに乗ることにします。1940年、ドイツと同じくファシズムに走っていたイタリアとも手を組み、日独伊三国軍事同盟を結びました。しかし、遠いヨーロッパの国の2国と軍事同盟を結んだところで実質的な効果はなく、逆にイギリスを支援するアメリカとの対立を深める原因になってしまいます。
そして、アメリカからの経済制裁を日本は受けることになります。「石油などの燃料や鉄を日本に輸出しないよ」といいだすのです。中国との戦争中に、燃料がなくなるのは日本にとって痛すぎます。「石油の一滴は、血の一滴」という言葉があるくらい戦争では燃料が勝敗に大きく左右したのです。
なんとか、アメリカの怒りを静めようと日本も努力します。1941年4月に日本はアメリカとワシントンで交渉を開始。
しかし、その一方で日本の陸軍は石油やゴムなどの資源を求め、ベトナムへ軍を進めサイゴンへ入城します。サイゴンとはアメリカ領のフィリピン、イギリス領のシンガポール、オランダ領のインドネシアなどすべてを攻撃できてしまう場所。これに危機感を募らせたアメリカは日本に対して石油の輸出を全面禁止。アメリカにいる日本人の資産を凍結させるなどの処置にでます。
そして、同年11月。アメリカ国務長官ハルは最後の提案として日本に中国からの日本軍の撤兵、日独伊の同盟廃棄、中国の満州を満州事変以前の状態に戻すことなどの条件を日本に突きつけました。
しかし、日本としては到底飲める内容ではなく、1941年10月、首相に就任した東条英機は遂に真珠湾にてアメリカ海軍を攻撃。太平洋戦争が始まるのです。
開戦後、まもなくは日本海軍は怒涛の勢いで太平洋上の島々を占拠します。マニラ、シンガポール、ジャワ島を占領。しかし、その勢いもそこまで・・・。1942年6月のミッドウェー海戦では空母4隻、航空機300機を失い、また多数の熟練兵も失い惨敗します。このミッドフェー海戦を機に戦局は一変。アメリカの猛反撃にあいます。
もともと、日本は物資に乏しく、短期決戦でしか勝てる見込みはなかったのです。 その後は、守りに回った日本ですが米軍の猛攻になす術もなく、硫黄島敗北、沖縄戦敗戦・・・。そして、広島、長崎に原爆を投下され投下され1945年8月15日。ついに昭和天皇はラジオにて全国民に向け敗戦を伝えるのでした。
戦争の「目的」と「目標」を整理
日本の戦争の目的は、「自衛」であり、「目標」として、油の確保と、それに伴う軍事目標が挙げられます。また、「自衛」のために、有利な条件での講和をするための条件闘争を「目標」に掲げられ、実際、海軍を率いた山本五十六は、2~3年暴れまわって、有利な状況をつくりアメリカと講和する腹案を持っていたと言われています。
しかし、日本は、「目標」という悪魔にひきづられ、ズルズルと敗戦を重ねるも、講和に至らず、国家存続の危機をも迎えてしまいました。当時の日本は世界5位の工業生産高を誇る一流国でしたが、東洋の島国1つで、アメリカ、イギリス、フランス。そして中国、さいごはロシアを敵に回して勝てる訳もありません・・・ 猿でもわかるロジックに誰も決断できなかったのか、ただただ悔やむばかりです。しかし、それだけ、「方法」という名の悪魔の力は強いものだとも言いかえれます。
資源がない国がつくった一世一代の張りぼて
数々の悲劇を招いた大東亜戦争にあって、戦艦大和の悲劇は今に語りつぐべき「教訓」を今に遺しています。
戦艦大和は、当時世界一の巨大戦艦で、国家予算の3%、いまのお金に換算すると3兆円、5兆円とも言われる巨額の費用を捻出し建造された大戦艦です。しかし、その戦果は乏しいもので、敵艦との応戦の記録はなく、最期の出撃となった特攻作戦においても、乗員3000名もの戦死と、戦艦の沈没という憂き目を追いながら、撃沈した飛行機は13機、倒した米兵も10名弱という記録しか残っていません
第二次世界大戦時には、戦艦同士が戦う巨砲主義は終わり迎え、航空機の運用に軸が移っていました。しかし、巨額を投じた「大和」が使いものにならない・・・と言えない軍部は、「目的」を失っても、建造に固執し、そして、特攻という名の捨て駒として多くの乗員の命を奪う暴挙に出たのです。
「目標」は常にチェックし、ときには捨ててもいいものです。
反対に「目的」だけはゆずっていはいけません。戦艦大和という時代遅れの「目標」に固執した日本軍は負けるべくして負けたともいえそうです。そして、今も、無駄は間違えを認められない一部のエリートや、官僚さんは、巨大ダムや、堤防や干拓地を作り続けています。
太平洋のもくずに消えた英霊の魂に報いるためにも、「方法」という名の悪魔を倒さなければなりません。
昭和天皇さまの慧眼
「目的」と「目標」の取り違えであやうく2000年にわたる歴史が途絶えることとなった日本。
しかし、決断ができない軍部、政治家を後目に、昭和天皇さまは、のちにご聖断と言われた連合国側への降伏を受け入れる決断をされます。
「決」という字の由来は、川の堤防をきって、被害を最小限に食い止めることです。
いくも地獄。退くも地獄という状況のなか、昭和天皇は見事な決断をされ、戦後の復興を成し遂げられました。
そんな昭和天皇さまの当時の心境をつづった書面が今に伝わっています
それが、いまの平成天皇さま(当時の皇太子)につづった手紙です。
未曾有の事態に右往左往する重臣たちを、冷静に分析しながらも、やがてくる新しい時代の景色を昭和天皇さまだけが、見守っているかのような内容です。
そして、戦争という「方法」の悪魔に取りつかれた日本国全体を、天皇さまだけが、「目的」をしっかり見据えたとも言いかえられます
戦争はいけないことですが、のちの時代の人はいくらでも悪口はいえます。
しかし、あの時代、あの空気のなか、どれだけの人が、「方法」という悪魔に勝てたのでしょうか?
テレビの報道1つで、世論が動く今の時代を生きる我々が、批評できる立場でないことは明白です。ぜひ、「目的」と「目標」の違いの分かる日本人になってほしいと願うばかりです。
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昭和天皇が穂積重遠東宮大夫に、疎開のため、奥日光にいた皇太子のもと届けるようにと依頼した手紙
出典:橋本明「昭和二十年九月九日の陛下の手紙」
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手紙をありがたう しつかりとした精神をもつて 元気で居ることを聞いて 喜んで居ます。
国家は多事であるが 私は丈夫で居るから安心してください
今度のやうな決心をしなければならない事情を早く話せばよかつたけれど先生とあまりにちがつたことをいふことになるので ひかへて居つたことを ゆるしてくれ
敗因について一言いはしてくれ
我が国人が あまりの皇国を信じ過ぎて 英米をあなどつたことである
我が軍人は 精神に重きをおきすぎて 科学を忘れたことである
明治天皇の時には 山県 大山 山本等の如き陸海軍の名将があつたが 今度の時は あたかも第一次世界大戦の独の如く 軍人がバツコして大局を考へず 進むを知つて 退くことを知らなかつたからです
戦争をつづければ 三種神器を守ることも出来ず 国民をも殺さなければならなくなつたので 涙をのんで 国民の種をのこすべくつとめたのである
穂積大夫は常識の高い人であるから わからない所があつたら きいてくれ 寒くなるから 心体を大切に勉強なさい
九月九日
父より明仁へ
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