ルンバに負けたお父さんへ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■「私のお父さんはルンバ以下」 

 

 

http://www.huffingtonpost.jp/2016/05/02/roomba-father_n_9818952.html

 

 

 小学5年生の女児が、家族の「家への貢献度」を計測したところ、お掃除ロボットの「ルンバ」よりお父さんの方が順位が低くて最下位だったと話したことに、ネット上で「お父さんが可哀想」と同情が寄せられている。

 

これは、中央省庁が毎年行っている、夏休みの子ども向けイベント「子ども霞が関見学デー」の一幕だった。内閣官房・情報通信技術(IT)総合戦略室のブースで、教育用レゴ「マインドストーム」のプログラミング教室を受講した小学5年生の女児が次のように話していたと、

 

「私の家では,家のことへの貢献で私が順位を付けています.1 位はお母さん,2 位は私で,3 位が掃除ロボットのルンバ.そして最下位がお父さんでした. ある日ルンバが,玄関の靴脱ぎ場に車輪の一部が落ちて動けなくなってしまいました.それを見て,『ルンバが最下位』と今日まで思っていました.でも,今日プログラミング教室を受けて,ルンバが悪いのではなくて,ルンバのプログラムが上手にできていなかったこと,ルンバのプログラムを作った人が,もう少し条件を考慮して作っていれば落ちずに済んだことが分かりました.なので,最下位はやっぱりお父さんです!」

 

この少女の言葉に対してTwitter上では「お父さんは言った通りすら出来ないという評価なのか…」「人がロボットに使われる時代なんてあっという間にくるのではなかろうか」と嘆く声が続出している。

 

その一方で、お父さんが外で働いてばかりいると、家への貢献が娘からは分かりにくいとして、「勤め人だとお父さんのお仕事はおうちからほとんど見えませんからね」「お父さんは会社頑張ってるから、家じゃだらけてしまうんや」「それでも、いつか父親が偉大な存在であったと気づく時がくる」などとお父さんを弁護する声も上がった。

 

■絶滅危惧種「日本のオヤジ」を救え

 

子どもに理想の食卓という絵を描かせると7割の絵にお父さんがいないそうです。 子どもの目線は、正直です。絵にさえ買いてもらえない、そしてルンバにも劣るお父さんの存在感は、もはや危機的状況です。

 

子どもの頃、おふくろに怒られた時、さいごのさいご 「おとうさんに言うわよ!」っと言われた時のビビりようを覚えていますか? 家族のなかで、不動の存在、そして理不尽大王のおやじがいることは、実はお母さんにとっても、便利な装置なのです。

 

全国で展開してきた家訓づくりのセミナーの中で、受講いただいたお母さんの感想をきくと、深刻なおやじ不足に悩んでいるお話しを何度も聞きました 育メンなる言葉も生まれ、お母さんの手伝いをしているパパが増えていることは素晴らしいことです。

 

しかし、本来のおやじのポジションである「頑固おやじ」の仕事を放棄してしまっては、意味がありません トキや、イリオモテヤマネコも大事ですが、日本の絶滅危惧種『頑固おやじ』を救う必要があります。 昭和の時代【おやじ】 昭和のおやじは、大変強いものでした。

 

画像は、アニメ「巨人の星」星一徹のちゃぶ台返しの場面です。たとえアニメであっても、現代においては、この一枚でさえ放送禁止になるかもしれません。食べ物を粗末にするな!とか、息子を殴るな!とか、しかし、妙なノスタルジックさを感じませんか? 出来れば係りたくない頑固おやじですが、そんなおやじを心は求めています。

 

猿からはじまって、人間になり、その間の10万年間、おやじは、ずっと頑固おやじでした。しかし、ここ50年の生活環境の変化が、オヤジから、頑固性を取り上げ、ただの加齢臭の発生源に代えてしまいました

 

ちょっと前の風景には、オヤジの活躍する場面はたくさんありました。台風がきたとき、あるいは、お祭りのとき、仕事で輝く姿もかっこいい。でも、今は、生活の不便さの99%はコンビニが解決してくれます。

 

仕事をしている姿も、子どもの目線には映らないパパが多いのではないでしょうか?

反対に家でゴロゴロし、お母さんに怒られている姿を子ども達はみています。そんな父親を子ども達は「ルンバ以下・・・」と感じてしまうことは当然なのかもしれません。

 

 

■子どもに見せたい働く父ちゃんの姿

 

アメリカの学校では「シャドーデー」という宿題があり、子ども達がお父さんの職場へついていき、お父さんの仕事の様子を観察するというワークショップがあるそうです。

 

お子さんが成長していくなかで、父兄参観や、運動家、子ども達をみる場面はたくさんあるのに、子どもが親の働く姿をみたことがないって、どこかおかしい?と感じないでしょうか!?

 

家訓ニストの父親は、中小企業を経営しており、子どものときから働く親父の姿をみてきました。得意先に怒られたり、飲んで暴れたりと、かっこがいい場面ばかりじゃなかったけれど、「ぼくたちのために働いてくれている」という想いは強く感じていました

 

衣食住の近かった昭和という時代、お父さんの働く姿は、自然に子供につたわるものでした。汗をながし、あるいはお客さんに怒られていたとしても、自分たちのために働く姿は尊いものです。そんな姿は、子供たちには大人になるための一番の教科書となりました。 平成の世になり、自宅と職場は遠く離れ、お父さんの働く姿は、自然には伝わらない時代になっています。

 

絶滅危惧種『頑固おやじ』を復活させるためには、おやじの輝く場面をプロデュースする必要があります。社会にはびこる様々な問題は、結局は「家族」に起因していきます そして、引きこもりや、いじめ、一昔前では想像もつかなかった事件は、家族における【おやじ不足】が原因です

 

親父不足を解消する「シャドーデー(父親の仕事の観察)」に加え、お父さんが食卓を囲めない時に「陰膳」(かげぜん)の習慣を組み合わせることも有効です

 

「陰膳」。あるいは「伏せ腕」とは、お父さんの席にお箸を用意し、お茶碗を伏せておくという習慣です。元々、戦国大名が戦に赴く際に、家族が無事をいのって始めた風習といわれています。

 

ちょっとしたことのようでも、「陰膳」の効果は絶大です。伏せたお茶碗があることで、一緒にご飯を食べられない時間でも、子ども達には、「お父さんはこんな時間でも私たちのためにがんばってくれている!」と感じることができる効果が期待できます。

 

絶滅危惧種「頑固おやじ」の復活は、発泡酒を本物のビールにかえるだけでなく、子どもたちの心の隙間をうめ、勉強する意味や、まっすぐに生きるやる気スイッチを押してくれるでしょう。

 

子どもをディズニーランドに連れて行くことや、家事の手伝いをすることだけでなく、子ども達と一緒にいれない時間こそ、お父さんは子ども達のためにがんばっているということを伝えていきましょう^^ 少なくともルンバに負けちゃダメ(>_<)

 

■頑固おやじの養成ギブス

「家訓づくり」は、頑固おやじ養成ギブス。 お父さん、お母さんは家族のために頑張っている。そんな当たり前のことも意識しないと伝えられない時代です。そのためにも「家訓の唱和」を実践いただくことをおススメします

 

すべての母ちゃんは偉大です。ほおっておいても大丈夫。子ども達もそれは肌で感じています。

しかし父ちゃんは違う。どこか演出しないといけません、子ども達の職場体験に加え、「家訓」をつたえるかっこいい親父でいてください

 

深刻なおやじ不足は、もはや社会問題 とくに頑固おやじの絶滅に関して、もっと真剣に議論する必要があります 

 

家族のなかでいまいち光り輝けない全てのオヤジのために、これからも家訓ニストは全力で応援していきます